DVMsどうぶつ医療センター横浜

循環器科



循環器科

Cardiology

担当獣医師:鈴木 珠未

DVMsどうぶつ医療センター横浜循環器科では、各種先天性心疾患、弁膜症、心筋症、および不整脈などの疾患を対象として、主に内科的な管理を中心に診療を行なっております。当科ではエビデンスに基づく治療に加え、一般身体検査や心エコー検査を中心として血行動態評価などを行い、心疾患に苦しむ動物と飼い主様に最適な治療をプランニングすることを心がけております。また循環器疾患は病状が急激に変化することも少なくない疾患であり、自宅からすぐに受診できる「かかりつけ病院」や夜間救急との連携が非常に重要と考えております。そのため当科では全ての診療内容について、ご紹介いただいた動物病院様と報告書や説明資料などにより情報を共有しております。

診療日程SCHEDULE

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診療症例

CASES

心原性肺水腫

およそ1週間前からの発咳を主訴に当科を受診されました。来院時には呼吸促迫を呈しており、僧帽弁領域を最強点とするGradeⅢの収縮期雑音と両側肺野にて捻髪音を聴取。胸部レントゲン検査では肺野全体にエアーブロンコグラムを認めました。呼吸状態が比較的安定していたことから、心エコー検査による心機能評価を実施しました。僧帽弁弁父の肥厚と顕著な逸脱を認め、それに伴う僧帽弁逆流が認められたが、代償性の心腔拡大は認められませんでした。また拡張早期左室流入血流波は1.5m/secと上昇し、僧帽弁逆流血流波では、最大血流速度の低下と収縮中期-後期にかけての流速度の極端な減速(カットオフパターン)を認め、左房圧上昇が示唆されました。非観血血圧は収縮期圧140mmHg。以上の所見から、急性うっ血性左心不全(Nohria-Stevenson分類リスクプロファイルB)と診断し、ニトロプルシドナトリウム2.0ug/kg/min、ドブタミン5.0ug/kg/minの持続投与と、フロセミド0.5〜2.0mg/kgIVの間欠投与による治療を行いました。治療開始から1〜2時間後には安静時呼吸数30〜40回/分に改善し、36時間後に実施した胸部レントゲン検査では、肺野の不透過性はほとんど消失していました。今後は慢性期の治療により、血行動態の安定化を計る必要があると考えられました。

肺高血圧症(肺動脈性肺高血圧を疑う)

発作の精査を目的として当センター脳神経科を受診されましたが、麻酔前の検査において異常を認め、同日心臓の精査を目的に当科を受診されました。問診では活動性の低下や呼吸数増加などが聴取されました。一般身体検査では右側胸壁においてGradeⅢの収縮期雑音が聴取されました。胸部レントゲン検査では右心系の拡大と肺動脈の拡張を認めました。心エコー検査では、右心室壁厚の増加および右心房・右心室腔の拡大を認め、三尖弁逆流血流から推定した圧較差は60.1mmHgでした。左心疾患や短絡性疾患などは明らかでなく、左房圧上昇を示唆する所見も認められませんでした。また外部検査機関にて実施したD-dimerは0.44ug/dLであり、慢性肺血栓塞栓症は否定的でした。以上の検査結果より肺高血圧症と診断。心エコー検査から、肺血管抵抗の上昇による右室前方拍出量の低下が生じているものと推定されたため、シルデナフィルによる内科療法を開始しました。現在、内科治療を開始して約1ヶ月が経過していますが、以前と比較して明らかに活動性が改善し、良好な状態を維持できています。右心疾患は心雑音の音量が小さいことが多く、臨床徴候も非特異的なものが多いことから、レントゲンや心エコー検査などの画像診断を組み合わせた評価が重要であると考えられました。


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